2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、特定行政書士の守備範囲が拡大されました。
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今月末でちょうど半年になるので一度おさらいしておきたいと思います。行政書士会としても肝入りの法改正であるため、組織を挙げて、本件に取り組んでいることも事実です。
何が変わったのか? 特定行政書士が行政不服申立ての代理人になることができる範囲が大幅に拡大しました。
行政機関に対してなんらかの許認可を申請するも不許可になった場合、申請者がその不許可を違法または不当と考えるときには、原則として不服を申し立てることができます。そのような行政上の不服申立ての代理人になることができる特定行政書士の守備範囲が法改正によって大幅に拡大しました。
従来:不許可になってしまった当初の行政手続に行政書士が実際に関与していたことが、特定行政書士がその不許可を不服とする申立ての代理人になるための条件でした。
改正後:不許可になってしまった当初の行政手続に行政書士が全く関与していなくても、もともと行政書士がすることができる行政手続に関する行政不服申立てであれば、特定行政書士はその申請者の代理人として関与することができるようになりました。
文章にするとこの程度の違いですが、中身は雲泥の差です。
というのは行政書士のあずかり知らない許認可申請は世の中に数多あり、不許可になるケースもまたたくさん存在すると思うからです。行政書士が関与していない許認可申請件数が何件あり、うち何割が不許可になっているのか具体的数値は私にはわかりません。
しかし、ひとつだけ言えることは、私自身もそうでしたが、官公署に提出する書類を悩まずに簡単に正しく記入できる人は一般にあまり多くないだろうということです。例えばマイナンバーカードの取得申請ですら、スイスイと書類を記入することができた人は少数派だったはずです。
ただ、許認可を出す側の目線で考えれば、申請書類に不備がなく許認可要件を満たしていれば、許認可を出すことが事実上義務付けられるので、不許可になるには必ず理由があります。たとえば、AさんとBさんが同じ許認可を申請して、どちらも要件を満たしているのに、Aさんには許可を出すがBさんには出さないといった裁量の余地はありません。
申請者がその不許可理由を理解し、納得できるものを提示すること、そして申請者が不許可に不満がある場合、裁判や行政不服申立手続に臨むことができるので、その場で争うことができる理由であることが要求されます。不許可の理由を提示することは、行政手続法という法律で行政機関に義務付けられています。
しかし、まだまだ行政書士の役割が十分浸透されていないと感じることがあります。
行政書士が官公署に申請することができる業務は1万種を超えるといわれています。そのためできない業務を挙げた方が分かり易い構造になっています。たとえば、弁護士であれば法律上の争いを解決する、税理士であれば税務申告する、司法書士であれば法務局へ提出する書類を作成する、社会保険労務士であれば、厚生労働省に提出する書類を作成する等の他の専門家の独占業務を除いた業務を行政書士がすることができるとされています。
たとえば税務申告や商業登記等、境界線が一目瞭然場合は問題ないのですが、私が個人的にキワを見極めるのが難しいのではないかと感じるのは社会保険労務士とのキワです。社会保険労務士の場合、独占手続は社会保険労務士法の別表に列挙されているので、そこを丹念にチェックすることが必要ですが、一目見ただけでは、行政書士ができるのか否か分かりづらい行政手続も存在します。
厚生労働省に申請する各種助成金の受給申請は、社会保険労務士のお仕事であって行政書士はすることができません。しかしやっかいなのは、助成金と名の付くものが全て行政書士にはNGというわけでもなく、行政書士が申請できる補助金の性質のもので官公署によっては助成金と呼ぶものもあります。
というふうに入口判断は私たち自身にとっても難しいので、一般の方が、自分がこれから手続しようとしていることはどの専門家に相談すべきなのかを的確に判断するのはもっと難しいであろうと想像することは難しくありません。
ですので、誰が担い手になるのかよくわからない場合には、行政書士会(私が所属するのは東京都行政書士会中野支部で、無料相談フリーダイヤルもあります。下記リンクご参照)等に、取り敢えず、聞いてみるといいと思います。行政書士に最初の申請のときから依頼することもできますし、残念ながら不許可になったときには、行政不服申立て手続だけを特定行政書士に後日依頼することもできる、という意味では市民の皆様の選択肢は広がったと言えます。
窓口で相談されれば、行政書士がお手伝いすることができない場合であっても、そのケースなら司法書士とか、弁護士になるとか、社会保険労務士と思われますなど最低限のアドバイスは受けることができます。最近、多くの市区町村で無料専門家相談コーナーを設置しているようなので、まずはお住まいの市区町村にご相談することでも良いと思います。東京都中野区では、行政書士は中野区役所では毎月1回、隔月で区内の別の相談会場で無料相談を引き受けています。
中野区役所HPを見る限りですが、行政書士の他、弁護士相談、税理士相談、司法書士相談、社会保険労務士相談も設置されています。
なお法令により、行政不服申立てをすることができない場合もありますが、その場合も少なくとも裁判を起こすことは可能です。言うまでもないことですが、裁判においては弁護士以外の人が代理人になることはできません。
参照リンク:東京都行政書士会中野支部 /https://nakano-gyosei.tokyo/