世界45か国を観てきた行政書士が作りたいBCP(事業継続計画)④ ハザードマップは足で確認

「洪積層というのは堅い土でできている地層で、これが地表に露出しているところは、縄文時代に海水の浸入が奥まで進んでいたときにも、陸地のままだった。」(中沢新一著 アースダイバー/講談社より引用)。縄文時代からはかなり時代が新しくなりますが、私の事務所はその昔、生類憐みの令で犬が10万匹飼われていた場所にあります。事務所からほど近い中野区役所の前庭には生類憐みの令の史跡があります。

士業のひとりとなって電車通勤から解放されましたが、運動不足に陥りがちなので、私は気分転換も兼ねて徒歩で行ける場所には時間が許す限り徒歩でいきます。徒歩の時間が自分にとって一番生産性が高いと思うことがしばしばあります。散歩が古来から頭の整理に利用されてきた意味が、遅ればせながらわかるようになりました。ところで徒歩で好きな場所に行けるというのは、それ自体とても恵まれていることです。

日本では想像できませんが、一般に徒歩移動は治安面でもっとも隙の多い行動であり、時間帯によってはクルマでの移動が必須の国の方が普通かもしれません。特に夜も歩きスマホができるのは、先進国でもごく一部の国だけではないでしょうか? たとえ昼間でも歩きながらスマホを見る行動は、強盗に「どうぞ襲ってください」と言っているに等しい危険な行動になってしまう場所も世界にはあります。

以前メキシコ人の知り合いから、「日本に行って一番驚いたのは、女児がひとりで地下鉄に乗っていることだ。」と言われたことがあります。子供が一人で出かけることができる国、深夜電車で居眠りできる国、レストランの椅子に荷物をおいたままトイレに行ける国、我が国はそれだけですでに充分恵まれています。現在、インバウンド観光客が増え続けているのは、まずもって日本が安全だからと私は理解します。初めて我が国を訪れる人も、多少は言葉の不自由はあるかもしれませんが、安心して観光を楽しめる点で、インバウンド観光客の多くが、「日本はすごい」と感じているはずです。

前置きが長くなりましたが、ハザードマップは足で確認するとよくわかります。こんなに土地の傾斜があるのかと実感します。たとえば中野区は氾濫リスクがある河川が南北にあり、河川流域はその周辺と比較して低地にありますが、歩くとその様子が良くわかります。いざというとき避難は徒歩になりますので、有事の際、どちら方面に避難すべきか、子供や体の不自由な人が移動できるのか、災害用トイレはどこにあるのか等々、予め確認しておく必要があります。縄文時代や江戸時代の東京に思いをいたしながら、頭を整理できて、BCPにも役に立つ、しかもタダでできるのが散歩のメリットです。

カテゴリー: BCP策定のために パーマリンク