東京都中野区における「事業継続力強化計画」認定件数は2025年末現在で累計73件

当職が事業継続力強化計画認定事業者となって約1年になります。

中小企業庁がHP内で公表しているデータから次のような分析をしてみました。当職の個人的見解と仮説に基づくものであり、裏付けを取っているものではありませんので、その前提でお読みください。

中野区の事業者のみなさまへ

中小企業庁施策「事業継続力強化計画」認定制度のご案内

自然災害等不測の事態に備える事業者様をサポートする中小企業庁施策をご案内申し上げます。

【事業継続力強化計画とは何でしょうか】

中小企業庁によれば、“事業継続力強化計画とは中小企業・小規模事業者(以下、事業者という。)が災害リスク等を認識し、自社の防災・減災対策の第一歩として取り組むために、必要な項目を盛り込んだもので、現在及び将来的に行う災害対策などを記載するものです。認定を受けた中小企業者は、防災・減災設備に対する税制措置、低利融資、補助金の加点措置等を受けることができます。” (引用文献:中小企業庁-中小企業等経営強化法-事業継続力強化計画認定制度の概要/令和7年12月17日版)

具体的には、簡易版の事業継続計画(BCP/Business Continuity Plan)で、例えば以下のような項目が主な内容です。

①事業者が潜在的に負うリスクを知る。たとえば、事業所所在地が浸水被害を受ける確率が何%くらいあり、どのような被害を想定すべきなのかをハザードマップ等で確認する。大地震が発生する確率をJ-SHIS Map等で把握しておく。そのリスクに応じて、自然災害発生後、優先的に再稼働させる業務を予め選定し、再稼働に必要となるリソースの確保手段を構築すること、これらが最初のステップです。近年では富士山の噴火というリスクも要検討事項になっています。

出典:国土交通省 水管理・国土保全局 防災課「ハザードマップポータルサイト」 https://disaportal.gsi.go.jp/index.html

出典:国立研究開発法人防災科学技術研究所 https://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

②そのリスクについての対応策を考える。浸水被害を受ける可能性の高い場所に主要工場や本社事務所があれば、移転の是非を検討する。移転は難しい場合、止水板・排水ポンプの設置、非常用電源の確保を考える。事業システムをクラウド化すること等により、基幹システムをバックアップすることを検討する。同時被災の可能性が低い遠隔地に所在する協業パートナーを探し、事前に災害協定を結んでおく、等。

③自然災害が発生した場合、最初に必要となるのは安否確認なので、従業員とその家族、取引先・仕入れ先の安否確認方法を用意し定期的に訓練を実施する。災害発生時に出勤が困難になる従業員が何名いるのか、そしてその補充をどのように行うのか、具体的にイメージトレーニングすることが重要です。経営者はもとより従業員の通勤経路に潜むリスクも考えておく必要があります。

このような内容の計画を経済産業省(東京の場合は関東経済産業局)に認定されれば、上記のような経済的なメリットを受けることが可能になります。中小企業庁単独施策の他、東京都内の事業者であれば、東京都中小企業振興公社によるBCP実践助成金も用意されています(令和7年度分は終了)

【累計認定件数は9万件以上】

事業継続力強化計画認定制度は令和元年8月に発足し、令和7年12月末現在全国で92,523件(東京都10,067件)の認定実績があります。認定事業者の公表が始まった令和4年度以降では東京都で5,647件、うち中野区は73件です。特別区最多件数は港区の616件です。

【人口10万人当りの認定件数第一位の都道府県は徳島県】

認定件数の数値が意味するところを分かり易くする目的で、総務省統計局令和6年10月1日推計人口を基に人口10万人当りの都道府県別認定件数を当職にて算出しました。その結果、全国では75件でした。

都道府県別にみると全国とほぼ同水準の東京都の71件に対し、トップは徳島県の236件でした。徳島県は過去3か年の増加傾向が顕著で、令和5年度:37件、令和6年度:64件、令和7年度4月~12月:68件と右肩上がりです。

人口10万人当りの累計認定件数が100件を超える県を挙げると、三重県:163件、静岡県:128件、福井県:126件、香川県:118件、山梨県:117件、富山県:114件、高知県:109件、岐阜県:103件となっています。南海トラフ地震等の自然災害に対して事業者が抱える不安と無関係ではないと推測します。

(出典:中小企業庁HP「事業継続力強化計画」地域別認定件数一覧2026年1月15日、「事業継続力強化計画」認定事業者一覧、総務省統計局 令和6年推計人口に基づき当職にて調査・加工)。

【事業継続力強化計画認定事業者になる意味】

上記の経済的直接的メリットももちろん大切ですが、経営リスクを一度客観的に見つめ直すことができる点が、事業継続力強化計画認定を受ける最大のメリットであると当職は考えます。

自然災害等への備えは平時からの不断の準備がとても大切です。そしてそうした、目に見えないリスクにこそ十分に備えておくことが、人手不足のいま人材獲得においてアピール材料となります。また、経営者自身が被災して落命するまたは大けがをして執務できなくなることもありえます。つまり、事業継続力強化とは事業承継そのものでもあると思います。好ましくはないことかもしれませんが、最悪の場合に備えて、遺言の準備や推定相続人との事業承継の在り方を話し合っておくことも必要ではないかと考えます。

【事業継続力とはすなわちおカネという現実と前向きに向き合う】

有事にも金融機関からの借入が可能となるよう、取引金融機関とは前広く協議しておくことが有効です。BCPを目的とする融資の約束をしてくれる金融機関もあります(具体的条件は取引金融機関に確認することが必要)。

損害保険や生命保険に入ることで有事の際に一時的な資金を手当することはできます。事業継続力強化計画を認定されれば、一定条件の下、損害保険料が割引になる可能性があります。

返済義務のないおカネとして災害復興支援補助金等があります。補助金受給に関する手続や条件の概要を掴んでおくことはとても有意義です。最近では能登半島の震災のケーススタディが有効だと思います。

このようなおカネに関する準備はとても面倒なことに違いないのですが、平時にできないことは有事に絶対できないので、事業継続力強化とはすなわちおカネの手当であると割り切って、少しづつ準備しておくことをおすすめします。

お問い合わせは以下から、もしくはEmail:keisuketanaka14@gmail.com か携帯電話090-1734-2183までお気軽にお問い合わせください。

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    みなさまの事業拡大の一助となれば幸いです。

    出典:

    中小企業庁HPhttps://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.html#nintei

    東京都中小企業振興公社https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/bcp.html

    総務省統計局 人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)-全国:年齢(各歳)、男女別人口・都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口-https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2024np/index.html を当職にて加工。

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