内閣府 南海トラフ地震の被害想定

2025年3月31日、内閣府は南海トラフ地震の被害想定をアップデートしました。いくつかの想定シナリオによって数値は異なりますが、最大で死者29.8万人、全壊及び焼失棟数235万棟という数字はショッキングです。災害弔慰金法によれば弔慰金は死亡者1人あたり500万円以下で、仮に29.8万人亡くなると合計1兆4,900億円、被災者生活再建支援法によれば、住家の全壊で支給される支援金は住宅が全壊した世帯あたり300万円以下で、235万棟分で合計7兆円を超える巨額財政支出になります。

内閣府は、主な防災・減災対策のトップに、BCP(事業継続計画)策定・充実を挙げています BCPを策定していない場合には、策定している場合より、被害が大きくなり、立ち直りにも時間がかかり、ひいては体力の弱い企業の倒産という最悪のシナリオをも想定しています。なお以下では、負傷者数や自力脱出困難者の数字やインフラへの影響度に着目したいと思います。いずれにしても自分の安全は自分で守るを徹底して、できることから少しづつ備えを積み重ねるしか手段はありません。

<負傷者数・自力脱出困難者数(括弧内は発災の季節と時間)>

東海地方が大きく被災するケース 負傷者数95.2万人(夏・昼間)、自力脱出困難者30.7万人(冬・深夜)

近畿地方 負傷者95万人(夏・昼間) 自力脱出困難者30.7万人(冬・深夜)

四国地方 負傷者94.7万人(夏・昼間)、自力脱出困難者30.7万人(冬・深夜)

九州地方 負傷者94.6万人(夏・昼間)、自力脱出困難者30.7万人(冬・深夜)

<暴露人口・避難者数> 

建物被害人口:全壊・焼失人口最大570万人、半壊建物の居住人口を含めると最大約1,230万人

停電人口:最大約3,730万人(1日後)

断水人口:最大3,690万人(1日後)→1か月後も最大約460万人

避難所避難者数:最大約650万人(1週間後)→1か月後も最大約360万人。

1週間後の避難所避難者に占める要配慮者数

  • 65歳以上の高齢単身者36.3万人
  • 要介護認定者26.5万人
  • 外国人13.2万人他(以上重複あり)

<被害額>

資産等の被害(被災地) 224.9兆円(うち民間部門193.4兆円)

経済活動への影響(全国)

  • 生産・サービス低下に起因するもの45.4兆円
    • 輸送機械以外の製造業16.1兆円
    • 卸売・小売業7.1兆円
    • サービス業4.8兆円
    • 輸送機械4.4兆円等
  • 交通寸断に起因するもの(上記とは別の独立した推計)
    • 道路の機能停止(6か月)5.2兆円
    • 鉄道の機能停止(6か月)2.7兆円
    • 港湾の機能停止(1年間)14.1兆円

<主な防災・減災対策 /最大クラス地震の被害想定について(定量的な被害量)92頁>

経済的な被害を減ずるためには、
①被災する量そのものを減ずる
②被災の影響を極力小さくする
③できるだけ早い復旧・復興を図ることが必要である。
以下に行政、企業、地域及び個人がそれぞれの役割に応じて取り組むべき主な対策を示す。

(1)事業継続計画(BCP)の策定・充実

  • 早期の事業再開に向けた事業継続計画の策定
  • 事業継続計画実行体制(事業継続マネジメント)の構築
  • 中枢機能、データ等のバックアップ体制の強化
  • 事業継続計画に基づく実践的な訓練の実施と計画の点検・見直し

(2)サプライチェーンの多重性・代替性の確保(内容省略)

(3)施設・設備の耐震化(内容省略)

(4)火災対策(内容省略)

(5)労働力の確保(人的被害の軽減)(内容省略)

(6)インフラ・ライフラインの早期復旧等(内容省略)

(7)二次的な影響の拡大防止(内容省略)

出典・引用元:中央防災会議防災対策実行会議 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ 最大クラス地震の被害想定について(定量的な被害量)、最大クラス地震における被害様相の横断的整理、災害弔慰金法、被災者生活再建支援法

カテゴリー: BCP策定のために パーマリンク