残念ながら、戦争は人類の歴史とともにあるもののようで、21世紀に生きる私たちも無縁でいることができません。個人的には某国(亡国)の大統領や某国(亡国)の首相には全く賛同できませんが、ここは政治信条を語る場所ではないので、足許で起こっている事態が及ぼす事業上のリスクについて整理する機会として前向きに捉えてみたいと思います。
米国内では大規模な反戦デモが起こっているようですが、この状況が数年単位で続けば、どれほど財務体力のある事業者であってもいずれ苦しくなると思います。公的支援としていろいろな緊急的補助金も用意されはじめていますが、採択されるまでの時間も必要で即効性は望めません。
結局、手元の現預金を厚めに保持しておくこと以外に妙案はないと思います。無駄な支出や費用を見直してカットすることがまず最優先ですが、加えて資金に余裕のありそうな得意先にはできるだけ支払を急いでもらうとか、逆に資金的に問題ない仕入先には代金決済を待ってもらうとか(契約上許される限りで)、金融機関の融資枠を増額してもらう交渉をするとか、投資有価証券や重要ではない資産等を換金処分するとか、とにかく手元の現預金を厚くすることしか差し当たっての防衛手段はありません。幸い預貯金の金利もゼロではなくなりました。
とりあえず止血を急ぐとしても、長期化するリスクを踏まえると、事業そのものを見直すべき時かもしれません。本当に重要な顧客はいったい誰なのか?どうしても守らなくてはならない商圏や商品・サービスはどの事業なのか?思い切ってやめることができる事業はないのか?等。そしてより大切なことは、日々の資金繰りを経営者自身がしっかり見て、現金収支をよく把握しておくことだと思います。
いまは緊急事態なので経理担当者任せではなく、経営者自らがハンズオンで見ることが望ましいと思います。一般に金融機関は経営者が事業上の数字をきちんと理解していて自分の言葉で正確に説明できるかどうかを最も厳しく評価します。そして真剣に事業を継続させようと試みる経営者をサポートしてくれる金融機関は必ず存在します。
その意味でこの異常事態はどの金融機関がどう対応するか見極めるチャンスかもしれません。リトマス試験紙として過去3期分の決算書を持参して、経営者自ら金融機関を何社か往訪してみると良いと思います。もし金融機関に真剣に融資の相談をしてもどこからも良い返事がもらえないのであれば、それは経営者が事業の立て直しに取り組むべき時であると真摯に受け止めなくてはならないということです。