Sagrada Familia完成間近 雑記

いまから約30年前に住んでいた思い出深い町であるBarcelonaがTV番組で採り上げられていて非常に興味深く観ました。

メイン出演者の芦田愛菜さんの知性にも感動しましたが、当時から有名な彫刻家でいらしたSagrada Familiaの主任彫刻家外尾悦郎さんのインタビューも秀逸でした。「Gaudiを見るのではなく、Gaudiが見ていたであろうものを見に行く」とのお言葉がとても印象でした。

そしてなにより、いまから数十年前に突如現れた日本人彫刻家を、SagradaFamilia建設のために受け入れたBarcelonaの懐の深さも素晴らしいと改めて思いました。良いものは素直に良いものとして受け入れる風土は、数千年前から多種多様な文化交流の真っただ中にある町に脈々と受け継がれてきた文化的DNAなのだろうと思います。

人口160万人のBarcelonaもいまは人口の20倍近いの観光客が訪れる、オーバーツーリズムの影響を最も受けている都市のひとつになっているようです。私が暮らしていた30年前は、1992年のオリンピック直後の勢いが若干残っていたものの、FC Barcelonaのサッカーチケットでも、大人気のゲーム以外は地元銀行のATMに併設されていたイベント自動券売機で当日券を入手できたり、今と比較するとかなりのんびり過ごしていました。

その当時Sagrada Familiaの完成にはあと100年必要だろうと言われていたので、完成をこの目で見ることはないと思っていましたが、昨日のTV番組によれば、ひとまず来年2026年には完成するということでした。Sagrada Familiaは完成しないことが一番大きな魅力であった面もあり、個人的にはちょっと複雑な気持ちですが、建設に携わる方々にとっては完成させることが至上命題であるのは当然です。

完成がスピードアップしたのは、オーバーツーリズムのおかげで建設費用が潤沢に調達できるようになったことや、建築技術の進歩によるものだそうですが、でもやはり、完成した姿をこの目で見ることができるであろうことは嬉しい、幸運なことなのだと思います。

カテゴリー: その他 パーマリンク