コメに関しては「供給と価格両方の安定」が何より国民に安心をもたらすことは明らかですが、大臣交代後の大幅政策変更でコメの価格が二重・三重になりそうな状況です。ちょっと気になるのは、当初ルールに従って落札した人や、そこから買い受けた人が損失を被った場合、誰がどのようにしてその損失を埋め合わせるのか不明であることです。
ところで既に精米された元備蓄米は、もし大量に余っても備蓄に戻すことはできないでしょうから、飼料や工業製品の原材料になるのでしょうか? 主食用以外に用途が限定された米穀を主食米に転用することは禁止されていますが、その逆は禁止されていないようです。
本当に備蓄米が必要になるときは、明日突然やってくるかもしれません。あらためて、コメの備蓄は自分たちで日ごろから真剣に取り組んでおかないと大変なことになると、再認識させてもらえたことがこの問題からの一番重要な学びです。
【主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律】
(目的)第1条 この法律は、主要な食糧である米穀及び麦が主食としての役割を果たし、かつ、重要な農産物としての地位を占めていることにかんがみ、米穀の生産者から消費者までの適正かつ円滑な流通を確保するための措置並びに政府による主要食糧の買入れ、輸入及び売渡しの措置を総合的に講ずることにより、主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資することを目的とする。
雑則
(米穀の出荷又は販売の事業の届出)第47条 米穀の出荷又は販売の事業(その事業の規模が農林水産省令で定める規模未満であるものを除く。第59条において同じ。)を行おうとする者は、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、次に掲げる事項(略/商号、代表者氏名、事業所住所等)を農林水産大臣に届け出なければならない。
実際に2,000円台で店頭に並べば転売ヤーが跋扈しそうですが、コメに関しては、転売も法令違反になる可能性があります。精米ベースの年間取扱量が20トン未満の事業者の場合、地方農政局(すなわち農林水産大臣)への届出は任意とされていますが、コメの取扱量には関係なく、所管保健所への「営業の届出と食品衛生責任者の届出」が必要です。
そして保健所に届け出れば、次は小規模な営業者等でも最低限のHACCP対応(食品衛生管理)が必要になってきます。目先の値ざや目当てでの安易なコメの転売はやめておいた方が無難でしょう。https://www.maff.go.jp/j/seisan/syukka_hanbai_todokede/