今般の米騒動は、備蓄米流通の壮大な実験になったような気がします。流通の目詰まりを見ていると、いざというときに備蓄米を頼みの綱にするのは困難であることが図らずもはっきりしてしまいました。ただ、前向きに捉えると壮大な訓練としては結果オーライで、この学びを有事の際に活かせればいいと思います。
トラック運転手不足で搬送できない、精米キャパが足りない、ことなどは平和な時であれば、「困ったな。まあもうちょっと待ってみよう。」で済みますが、本当に備蓄米が必要な時には機能しないことが白日の下にさらされてしまいました。足許のコメの値段の議論ではなく、そもそも食料安全保障の議論を掘り下げるべきだと思いました。
備蓄米の倉庫は東北地方に偏在しているようですが、これらの倉庫から貨物列車で搬送する方法はいざというとき本当に機能するのだろうかとちょっと不安を覚えます。首都圏や西日本には備蓄米が行き届かずとも耐えることができるような仕組みがあるのでしょうか?我々一般国民が知らないところで確保されているのであればいいのですが。
農業政策や消費活動の問題ではなく、ましてや目の前の選挙対策などではなく、国家安全保障の問題として議論してほしいと思います。