特定行政書士が作りたいBCP(事業継続計画)

特定行政書士とは、聞きなれない方にとっては、フルスコープの業務を受任することができない特定分野の行政書士と誤解されるかもしれませんが、行政書士の資格内資格で、行政不服審査法上の不服申立て(審査請求)の代理人になることができるものです。

行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法を掘り下げて学び直し、加えて民事訴訟法の特に要件事実の考え方等について研修を受け、試験に合格して初めて特定行政書士と付記されます。

たとえば、行政書士に依頼して許認可申請をしたが不許可になった。または、過去に行政書士が申請して取得していた許認可が取り消されることになった等の場合、申請人や不利益処分を受ける者は、その行政処分に不服がある場合、処分の取消し等を求めて、不服申立て(審査請求)をする権利が認められています。この場合に、一定条件下で代理人になることができるのが特定行政書士です。もちろん、弁護士も代理人になることができます。たまにニュースで”取消処分の取消し”といった???的な表現を耳にすることがあるかもしれませんが、それは行政事件訴訟の判決です。不服申立ては原則非公開なので傍聴することはできません。

申請人が自力で不服申立てすることも可能ですが、不服申立て書類の書き方をアドバイスしたり、口頭で意見を陳述する機会において代理人として代わりに陳述する等、特定行政書士は行政手続の専門家としての立場から、全体を俯瞰してお手伝いすることができます。但し、不服申立ての取下げは、原則本人が書面でする必要があり、特別な委任を受けた場合のみ、代理人が本人に代わって取下げることができます。

特定行政書士という資格はまだまだ認知されていませんがBCP(事業継続計画)の観点からは、例えば災害からの復旧・復興で必要となる許認可申請手続きを行政書士がお手伝いしたにもかかわらず、何らかの理由で不許可になってしまった場合に、不服申立てまでお手伝いできるという点にポイントがあります。最後までお手伝いしますということです。

処分に不服があれば、いきなり行政事件訴訟を起こすこともできますが、裁判との違いは、不服申立ては裁判ほど手間やコストがかからないことです(不服申立て自体は無料で、標準審理期間は東京都の場合4か月)。

また、行政事件訴訟を起こす場合、被告(=国、都道府県等)の処分にかかる違法性を原告(=当初の許認可申請者等)が主張して争うことになりますが、不服申立ての場合は、必ずしも処分に確固たる違法性がなくても、少なくとも不当(いくつか選択肢がある中で、行政は必ずしもベストな選択肢を選ばなかった等)であると判断すれば、それを理由にできる点が大きな違いです。ご想像の通り、違法性の主張・立証には相当な労力と費用がかかります。

行政不服審査法(目的等)
第一条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
2 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。

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