「自分の身は自分で守る」しかありません。有事の際は誰もが等しく苦難に遭うため、誰かが誰かを一方的に助け続ける状況は生まれにくいです。自分のことは自分でやるしかない、というのが防災減災の基本です。一定程度の公的支援はありますが、私有財産は原因が自然災害であっても、自費による復旧という原則があります。
かりに自宅住居が全壊してしまっても補償されるのは原則300万円までです。中小企業の場合は、なりわい補助金や災害復旧貸付などを活用して自力で復旧・復興することになりますが、必要資金の100%が補助されるハードルは高いと思います。BCP(事業継続計画)を策定し、普段から防災訓練や被災時のシミュレーションをしておく必要があります。
昨今の自然災害の激甚化や頻発化を鑑みれば、一社単独の企業努力ではどうにもならない事態が発生すると覚悟せざるを得ません。その点で有効な手段として、サプライチェーン上にある取引先企業等との連携型BCP策定が推奨されています。連携型は、サプライチェーン上にある企業との連携が良いのか、遠隔地で同時被災しない相手をパートナーとすべきなのかは、各社の個別事情と、経営資源のうち何を最優先で守るのかという経営方針にもよります。
また災害対応型コミットメントラインという商品(有事の際の融資実行を事前に約束してもらう仕組み。融資を事前約束してもらう対価として、平常時から一定の手数料を支払う)をご提供されている金融機関もあります。インターネットで知りうる限りの情報ですので、詳しくは当該金融機関までにお問い合わせください。融資条件等は個別審査があります。
罹災証明書が必要となるケースが多いため、被災の影響を客観的に示すことができる情報が必須です。設備増設、工場建物の増改築、機械レイアウト変更など、固定資産の異動前後はもちろん、できれば定期的に事務所や工場内の写真を撮影して、クラウド保存しておくことが望ましいと思います。写真のみならず、固定資産台帳(新規投資、既存設備の償却、古くなった設備の除却等)もしっかり管理すべきです。資産計上されていない施設・設備は原則なりわい補助金の補助対象になりませんし、地方税の未納がある企業は補助金を受給できません。
自助に始まり、共助(上記の連携型BCP策定等)から、そして公助にいたるまで、できるだけ具体的なイメージを持ちながら、それぞれの段階で最適な災害復旧ができるよう防災・減災の方針を策定しておくことが、企業として生き残るため、従業員の雇用を守るため、そして社会に貢献するため、必要不可欠です。