業務を受任したわけではないのですが、海外駐在中の方に相続が発生した場合の対応を考える機会がありました。慶弔休暇は(大手企業であれば)比較的長く取れるのでははないかと思いますが、さりとてその特別休暇の2~3週間で相続手続を完了させるのはちょっと難しいようです。おそらくご葬儀の準備や事後対応等で慶弔休暇は終わったのではないかと。故人の除籍が反映されるまで1週間程度かかるのが一般的ですので、法定相続情報証明制度を利用して、相続人であることだけ明らかにしておき、実際には国内におられる他の相続人に手続を任せることになるのではないかと思います。
海外駐在中に相続が発生しても円滑に相続手続きするためには、遺産分割協議が必要ない、しっかりした遺言が残っていることが一番望ましいと改めて考えさせられました。現実的にはたやすいことではないと思いますが。他方、やっかいなのは日本の商習慣です。民法で要求されていないのに、相続財産の名義変更などの現場実務で要求される、遺産分割協議書の”実印主義”はやっかいですね。海外駐在中印鑑登録が抹消されるので、駐在国の在外公館で在留証明を取得する必要があります。私も、海外駐在中に相続が発生しなかったのは幸いでした。
厳格な本籍地管理がされているパスポートでは本人確認としてなぜダメなのでしょうか?パスポートと同じサインで遺産分割協議書にサインできないのはなぜでしょうか?そしてさらに言えば、同じく厳格な本籍地管理をしているマイナンバーカードで本人確認できないのはなぜでしょうか?いろいろ疑問が残ります。
反対に日本で暮らす外国人の増加と高齢化で、Out – In のクロスボーダー相続も増えるはずです。クロスボーダー相続という言葉は一般的ではなく、渉外相続というのが正しいWordingですが、個人的にはクロスボーダー相続の方がしっくりきます。