ホワイトナイトは白けた夜  雑記

某メディアHDの経営を巡る攻防は日々複雑怪奇になってきて、その会社で日々真面目に働く従業員とその家族、一般の視聴者、CM提供を中断しているスポンサーとその背後にあるスポンサーにとっての不特定多数の顧客ら、資本市場に直接参画していないマジョリティが置き去りにされているようにも思えます。株主総会でいずれ結論が出るとしても、上場会社が、もはや株主だけのものではないというのは米国においてもはるか昔に常識になっているので、こうした動向には少々違和感を覚えます。

元々は一部タレントの不法行為が原因で、ひとことで表現すれば、きわめて悪質なカスハラであったのではなかったかなと。不法行為を行った当事者が雲隠れしていることに批判の声はほとんど上がらず、どちらかと言えば被害者ともいえる事業者に向かう批判の矛先は、どこかアンフェアな印象をぬぐえません。

公共の電波という尊い仕組みを使って営利をあげている企業である以上、一部株主の意向で経営が左右されるような不安定な状態ではなく、放送事業者としてあるべき姿を目指して社内を刷新してほしいと思います。そして中身のある番組を作っていただきたいものです。

本物のWhite Knightとはより多くの幅広いステークホルダーにできるだけ等しく恩恵をもたらすことができる人ではないかと個人的に思います。

ちなみに、東京証券取引所によれば、株式上場会社に求められるコーポレートガバナンス・コード上で、

「【株主以外のステークホルダーとの適切な協働】2. 上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。
取締役会・経営陣は、これらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきである。」

と記載されています。

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