BCP(事業継続計画)~東日本大震災直後から平常運行していた地下鉄丸ノ内線の特徴は? 

拙宅は地下鉄丸ノ内線の某駅を最寄り駅としています。この沿線に暮らす決め手になったのは、東日本大震災の直後から、丸ノ内線がほぼ平常運転していたからでした。震災発生当時は別の沿線(当時勤めていた会社までは私鉄と地下鉄をターミナル駅で乗り継ぎ)で暮らしていましたが、その通勤路線は東日本大震災発生後2か月くらいのあいだ運行ダイヤが事実上なくなりました。

地下鉄丸ノ内線の特徴は、①開業から70年を越える古い路線ゆえ、地下鉄としては浅いこと、②相互乗入れ路線のない、いわゆるピストン輸送であること、③逆Cの字のルートで、途中に新宿、霞ヶ関、東京、大手町等の主要駅があるため、乗客が頻繁に入れ替わること等であると私は考えています。6両編成のワンマンです。ホームドアも全駅に導入されていると記憶しています。ただ、古くて浅いがゆえにバリアフリー対応は他の駅に比べて劣後している感もあります。

地下鉄丸ノ内線はめったに運行ダイヤが乱れません。一般に相互乗り入れがある路線は便利ですが、トラブルに巻き込まれやすい脆弱性もあると思います。特にホームドアの設置率が低い路線の運行ダイヤが乱れる可能性は、ホームドアがある路線と比較して一般に高くなるのではないかと思います。

そこでBCP(事業継続計画)策定で重要となる、発災後の従業員の出社可能性の判断においては、各従業員の通勤経路を自宅から事業所までの移動距離だけで判断するのではなく、電車通勤であれば、その路線が例えば、ホームが深い大深度地下を走っているとか、東京都心を東西若しくは南北に通過する延伸距離の長い路線で車両編成も多く、乗客数が多いとか、乗り継ぎは平時から混雑するターミナル駅であるとか、乗客の入れ替えが特定の駅に集中しがちであるなど、定性面も考慮する必要があると思います。

複数の路線が活用できることはメリットですが、有事の際にもメリットであり続けるのか、デメリットとなってしまいかねないのか、いろいろな視点から判断したほうが良いのではないかと思います。

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