世界45か国を観てきた行政書士が作りたいBCP(事業継続計画)⑩ コスタリカで見たリアルな火山活動と富士山

20年近く前、当時住んでいたメキシコから中米コスタリカへ旅行しました。コスタリカ観光のハイライトは、アレナル火山の活動をホテルから眺めながらの夕食でした。近くには川がそのまま温泉になっているリゾートもありました。夜になると、ホテルから噴火をリアルタイムで見ることができました。真っ赤な溶岩が火口から噴き出すシーンが目に焼き付きました。後にも先にも火山の噴火を生で見たのはコスタリカでのこの経験一度キリです。

当時は、乾燥が著しいメキシコに住んでいたので、エコツーリズムを国策的に推進していた緑豊かなコスタリカの風景はとても印象的でした。コーヒーも美味でした。なにより、水と野菜が美味でした。しかしいま思えば、火山からホテルはそんなに離れていなかったので、もし大噴火が起こっていたらと思うと…。

当時住んでいたメキシコシティの自宅からは、海抜5,400メートルを超えるポポカテペトル火山が見えました。たまに噴煙を上げていましたが、最近また火山活動が活発化しているようです。メキシコシティは人口2千万人の大都市なので、火山活動が活発化すると大変なことになります。ポポカテペトル火山の山並みは美しいですが、自然の脅威と驚異を感じます。

これも20年以上前ですが、イタリア・ポンペイにも行ったことがあります。2千年前の人々の暮らしがリアルに感じられる凄い遺跡でした。しかしいつなんどき、東京がポンペイのようにならないとも限りません。

首都圏(特に富士山の東側)は、富士山の噴火というリスクからは目をそらすことができない状況にあると専門家は警鐘を鳴らしています。富士山は1707年以後噴火していないので、いつ噴火してもおかしくないと。しかしどんな人間の英知をもってしても、火山の噴火を精確に予測することはできないので、備えるしかないということになります。静岡県によれば、富士山のハザードマップは新しい火口がどこに出現するかも含めたものになっています。https://www.pref.shizuoka.jp/bosaikinkyu/sonae/kazanfunka/fujisankazan/1030190.html

さらに、認定特定非営利活動法人 日本防災士機構の防災士教本2024年版によりますと、火山灰の「陸上の交通機関への影響も深刻である。鉄道の運行は車両とレールの間に微小電流を流すことで走行位置を把握し、制御している。0.5㎜程度のごく少量の火山灰がレールに積もっただけで電流が流れなくなるため、運行を停止せざるを得ない。」僅かな火山灰であっても東京の交通機関はマヒしてしまうようです。

とくにサプライチェイン上重要な取引先が富士山周辺に所在する場合には、連携型BCPを策定することが必須になります。代替調達手段やロジスティックスの定期的な見直しが求められると思います。

余談ですが、コスタリカCosta Rica は英語に直訳すると Rich Coast すなわち富のある海岸(スペイン人がやってきたとき先住民が金の装身具を身につけていたことから名づけられた/小学館西和中辞典第2版)という意味で、敢えて分けるとしたら、コスタ・リカです。

カテゴリー: BCP策定のために パーマリンク