デリバリー&テイクアウト専業店が短命だった訳 雑記

最近、偶然ですが、近隣のデリバリー&テイクアウト専業の外食チェインが数軒閉店しました。理由は定かではありません。閉店した店舗のシャッターにはこれといった説明も見当たりませんでした。以下は、短命になってしまった訳について(根拠レスの)憶測です。普通に考えれば、店内飲食をしない分、固定費等の諸経費が安く済みそうですが、物事はそんなに単純ではないのかもしれません。

考えられる理由その① 収益性の高いアルコール飲料を販売できない。

その② もともと客単価が低い。

その③ 使い捨ての資材が高騰。

その④ オーダーがいつあるか予測できないのでスタンバイとなる人件費が高い。

その⑤ そもそも立地が良くなかった。

その⑥ 厨房スペースを節約し過ぎてキャパが需要に見合っていなかった。

その⑦ デリバリー要員を確保できなかった。もしくはU○○〇など外注デリバリーがコスト高だった。

その⑧ 周囲に競合がひしめいていた。

その⑨ 商品が時代遅れになっていた。

その⑩ 受注&決済システム投資が過大だった。

その⑪ フランチャイジーに財務体力がなかった。

その⑫ 原材料や人件費の高騰でフランチャイザーが店舗展開を抜本的に見直した。

その⑬ デリバリー&テイクアウトの顧客は移り気で、リピート率が低かった。

その⑭ そもそも存在を認知されなかった。デリバリー&テイクアウトだけであるがゆえに広告宣伝費が却って高くついた。

その⑮ 周辺の需要が一巡した。オープニングセールで無理な安売りをした結果、需要の多くを先食いしてしまった。

その⑯ 冷めるとどうしても美味しくないデリバリーやテイクアウトであるがゆえに、サイレントマジョリティーが顧客離れした。

その⑰ 高需要時間帯が深夜など高オペレーションコスト時間帯に偏り、採算が悪かった。

その⑱ デリバリーは配達時間が読めないため顧客離れした。(個人的にはこれが一番のネックであったのではないかと推測します。)

その⑲ (そろそろネタが尽きてきましたが)消費者は案外、店に来てから、その場で食べるか持ち帰るか判断しているのではないかというのが私の仮説です。ゆえに持ち帰るしか選択肢がない場合、そのお店を選ぶ時点で、ファーストオプションから漏れてしまうのではないかと思われます。その場で食べることができるならその場で、満席だったり、なんとなく食べにくいムードであったら、持ち帰る、というふうに、最終判断を保留しつつお店にやって来る顧客が実は多いのではないかと推測します。

その⑳ 実はデリバリーを志向する客層とテイクアウトを志向する客層は似て非なるものだった。デリバリーを志向する客は忙しい。テイクアウトを志向する客は時間はあるが、店内飲食を好まない。デリバリーを志向する客は、オーダーから商品到着までの時間を最も重視するので、オーダーがすっと通らなかったり、配達まで余計な時間がかかったりすると二度と戻ってこない。テイクアウトの客は、おそらく一人分で、かついろいろな場所でテイクアウトしているであろうため食傷気味で、お店のローテーション間隔が長い。

(まとめ)独断ですが、デリバリー&テイクアウトだけの事業形態は、実は今の時代にそぐわないのではないかと思います。家で食べる冷めた食事なのにゴミだけ残る。その場で食べれば余分なゴミは出ないし、温かい。プラスチック資材の高騰、人件費の高騰、客単価の低さ(高収益の飲料が売れないのはネック)、原材料費(いまは特にコメ)の高騰等々、強い向かい風です。実際、私自身はその閉店したお店を使ったことは結局一度もありませんでした。傍目に、厨房の人数のわりに、来店客は少ないなあと思っていたくらいです。以上、雑記でした。

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