東京都中野区の行政書士田中敬介と申します。
私は行政書士になる前の29年間大手商業銀行に勤めていました。銀行員として3か国、合計11年海外駐在しました。そうした経験を活かして世の役に立ちたいと考え行政書士になりました。金融機関での勤務経験×行政書士としての公的使命で世の中のお手伝いをしたいと思います。
最近、業績は悪くないのに後継者不在で廃業せざるを得ない老舗企業が増えているのはとても残念です。私の住むエリアでも、もう二度と開くことのないシャッターに、小さく、無念そうに、申し訳なさそうに、廃業のお知らせが掲げられていることが増えています。
そうした人手不足解消方法のひとつとして、今後はいろいろな業界で企業規模の大小を問わず、事業承継・再編が活発化していくことは間違いありません。そして、好むと好まざるとにかかわらず、M&Aがその手段として一番手っ取り早いと思います。
商標や顧客基盤といった有形無形の資産をバトンタッチすること、雇用を確保して従業員とその家族の不安を解消すること、経営者・代表者が安心して勇退できること、万全の事業承継を実現するには、各分野の専門家とのタイアップが必須です。
私たち行政書士は事業承継のキーとなる許認可関連の手続きをお手伝いします。国も昨今、中小企業の事業承継・再編の取組を促進するために法改正したり、手続き要件を柔軟化したりしています。事業承継・再編を実施し易いように法改正が実施された代表的セグメントのひとつは慢性的人手不足に喘ぐ建設業です。
例えば、建設業許可申請・変更の手引(東京都都市整備局市街地建築部建設業課/令和7年度版)によれば、令和2年10月1日から、事業承継を行う場合、あらかじめ「事前の認可」を受けること、相続の場合は死亡後30日以内に「相続の認可」を受けることで、被承継企業や被相続人の建設業者としての地位を承継企業や相続人が承継することが可能となっています。
もちろん買い手にとっては買収そのものよりも、買収後の経営統合(Post Merger Integration/PMI)の方が何倍も重要です。昨今では、買い手が新設企業であったり、ベンチャー企業であったりするケースも多いと思われます。事業統合に先立つものはやはりおカネですが、各種補助金申請は行政書士の最重要業務のひとつです。
私は銀行員でしたので、金融機関とのお付き合いのコツみたいなものもアドバイスいたします。銀行は融資の稟議が承認されたところから本当の仕事が始まります。第一関門である稟議が承認されるよう、銀行の担当者に情報提供し、相談する際のポイントがいくつかあります。
ところで私にとって29年間の銀行員時代最大のトピックスは、2度の銀行同士の合併を経験したことです。まさに、M&Aのあとにやってくる遠大なタスクであるPMIの大切さと難しさを実体験しました。業種や企業規模が違ってもPMIの要諦は似ています。
長文・乱筆、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。2025年9月