元銀行マンが作りたいBCP(事業継続計画)④ トランプ関税は続く 

狙い通りだったのか、市場が大荒れになったことで慌ててしまったのか?真意不明ですが、トランプ大統領が中国を除いて追加関税の適用を90日間延期しました。世界中を振り回すだけ振り回しておいていざというときに寸止めすると、なぜだかとても良いことをしてもらったかのような錯覚を覚えます。良くも悪くも天才的だと思いました。

我が国のサプライチェインにとって重要な中国は、その製品に100%を超える関税が適用されるようです。iPhoneはもとより、昔ハワイで売っていたお土産まで中国製だった記憶があります。報復合戦になって中国国内経済への影響も看過できなくなりました。アメリカ産の牛肉が中国国内でいきなり84%値上がりするのでしょうか?お互いにとってのダメージは小さくないと想像します。

サプライチェイン上、両国と無関係でいられない企業が日本には多いと思います。災害に匹敵するこうした不測の事態に備えるには、やはりおカネが重要だと改めて実感します。マンパワーの限られる小規模事業者におかれては、経営者ご自身が金融機関との窓口も兼ねておられる場合が多いと思いますが、少なくともトランプ大統領の任期中は、より入念にパイプを維持・構築された方が良いと思います。主要取引先からの値下げ要求は、いつ来るかわかりません。みな生き残りをかけて必死です。

他方、現在金融機関とのお付き合いがなく、財務体質的に金融機関からの資金調達は難しい場合、この機会に東京都等の公的なサポートを研究して、どのような条件であれば、サポートを受けることができるのか?実際に取り組むか否かは別として検討された方が良いと思います。https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/04/2025040412

公的なサポートを受けるには、税金の未納や滞納がないことが重要になります。税金の未納や滞納は、本業である程度課税所得が発生しているということですから、解消する意欲さえあれば解消できますが、本業がずっと赤字続きとなると話は違ってきます。本格的なリストラや事業譲渡等を検討する必要があるのかもしれません。東京都は事業承継・再生支援事業への専門家による助言等もサポートしています。経済活動における適時の新陳代謝は人手不足解消等に寄与する面もあるはずです。

https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/shoko/keiei/jigyoshokei https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/revival/index.html

トランプ大統領の施策はその熱狂的支持者を除き、多くの人にとって心地よいものではありませんが、事業承継の可能性も視野に入れたBCP(事業継続計画)策定の一環として、頭の体操をするきっかけにはなってくれたと、せめて解釈したいところです。

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