目的条文から考える時事 ①

選択的夫婦別姓を導入すると、子供や孫など子孫はどうなるのか?という問題点を指摘する誰かのコメントを読んでふと思いました。たしかに、夫婦間では選択できても、やや屁理屈かもしれませんが、子供にとっての”選択しない自由”を奪うということになりそうです。

そもそも子供の姓はいつ誰が決めるのでしょうか?出生届にはどちらかの姓を選択しているはずですが、赤ちゃんが選べるわけがないので、例えば成人するまで正式な姓の選択を保留します、とか二重国籍のような扱いになるのでしょうか?外国のように両親の姓をとりあえず引き継いで、どこかで子供が選ぶのでしょうか? 成人するまで田中・鈴木一郎で過ごすとか。

そうすると、戸籍を読むことを業とする領域の士業先生は大変になりそうです。両親が国際結婚だったら?反対にたとえば孫は祖父母の姓から自由に、すなわち親とは異なる姓を選べる?勉強不足ゆえ疑問が尽きません。お役所では、戸籍はもとより、住民基本台帳の整備も相当煩雑になるでしょうし、そんな一見些末に見えて、実は重要で非常にやっかいな問題も含むテーマであると思います。

外国では、本当の親子でも片親だけ同伴で国際線旅客機に乗ったりすると、片親による子供の連れ去り(=ほぼ誘拐)と見做されるリスクも一般的に高いですが(海外駐在員のご家族で奥様とお子様だけが一時帰国する手続を在外公館でされていました)、パスポート上で姓が違ったりすると、親子関係を公的に証明するのはかなり大変そうです。国内でも親子関係を証明するためにいちいち戸籍謄本を見せることになるのでしょうか?マイナンバーなどの公的IDに両方の姓を参考情報として記載するのでしょうか?

まあそういった不自由さや不便さも含めて、「自由ですよ、やりたければお好きにどうぞ」ということに行き着くのがこの問題の本質なのかもしれません。私自身はありきたりな苗字なので、珍しい苗字の配偶者姓を選択すれば良かったと思ったりします。混雑するレストランの予約では、同姓混同リスクを低減できる配偶者の旧姓を使います。

住民基本台帳法
第1条
 この法律は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)において、住民の居住関係の公証、選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図り、あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため、住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度を定め、もつて住民の利便を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする。

戸籍法
第一条
 戸籍に関する事務は、この法律に別段の定めがあるものを除き、市町村長がこれを管掌する。
②前項の規定により市町村長が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第二章 戸籍簿
第六条 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者(以下「外国人」という。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。

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